こんにちは、シンジョウ🌺です。
私はプロのホメオパスとして日々活動するなかで、後輩のホメオパスやセラピストから相談を受ける機会が多くあります。今回ご紹介するのは、そんな後輩から寄せられたある相談をもとに、同じ“支える立場”にあるセラピストの皆さん、特にホメオパスと分かち合いたい体験です。
クライアントさんにスタッフサグリア(Staph.)を与えたところ、
これまで抑え込まれていた激しい感情が一気に吹き出し、数日後には長文の相談メールが届きました。そのメールを読んだ瞬間、心がざわつき始め、胸が詰まり、呼吸が浅くなるのを感じました。
「なんとか応えなきゃ」と思えば思うほど、自分の中にも怒りや悲しみが湧き上がってきて、
気がつけば、仕事も手につかず、食事も喉を通らず、ただ重たい気分と疲労感に包まれていました。そしていつしか、メールの通知が来るだけで、不安が押し寄せるようになっていたのです。
このような“巻き込まれ”の感覚を経験したことのある方は、少なくないのではないでしょうか。

スタッフサグリア(Staph)による感情の“共振”
Staphysagria(Staph.)は、怒り・羞恥・屈辱・抑圧された自己表現に関する深いテーマを持つレメディーです。 その反応としてクライアントが、これまで封じ込めてきた感情を一気に解放することがあります。
しかしこのとき、セラピスト自身がかつて──
- 「NO」と言えず我慢してきた
- 「怒り」を押し殺して“いい人”を演じてきた
- 人のために自分を犠牲にしてきた
そういった背景を抱えていたならば、 そのクライアントの反応と自分の内側の記憶が“共鳴”し始めるのです。


感情の境界線が溶けていく
その共鳴は、とても自然で無意識のうちに起こります。 「助けてあげたい」「支えたい」という思いがあるほど、私たちは相手の感情に寄り添いすぎてしまう。
そして気づけば、
- クライアントの問題なのに、自分が悩み苦しんでいる
- 相手の感情に圧倒され、自分の生活が機能しなくなる
- 自分の“感情の地盤”がゆらぎ、主軸がわからなくなる
こうして“自他の感情の境界線”が、静かに、しかし確実に溶けていくのです。

セラピスト自身の「Staph.的テーマ」が浮上する
この巻き込まれ体験は、ある意味で「セラピスト自身への問い」として起きてきます。
“あなた自身は、ちゃんと怒れている?”
“ちゃんとNOって言えている?”
“他人の気持ちを背負いすぎていない?”
Staphysagriaは、クライアントのためだけのレメディーではなく、 セラピスト自身の未完了の感情を照らし出す鏡にもなり得ます。

「共感」と「同化」は違う
共感力が高いことは、ホメオパスやセラピストにとって大きな資質です。 けれど、
- 共感は「理解し、そばにいること」
- 同化は「感情を引き受け、巻き込まれること」
この違いを体で知るには、こういった“巻き込まれ体験”が教師になります。
自分の人生に戻る
支えることは素晴らしい仕事です。 でも、他人の人生に引きずられて、 自分の人生の手綱を放してしまったら本末転倒です。他人のプロセスに寄り添いながらも、 自分の軸に戻ってこれる人が、本当の意味で“信頼される存在”なのだと思います。
Staph.が照らしたその感情は、 もしかしたらあなた自身が、ずっと見て見ぬふりをしてきた「古い痛み」だったのかもしれません。それに気づけたなら、どうか優しく、それを迎えに行ってあげてください。

【参考】Staphysagriaのレメディー像

スタッフサグリア(Staph/ヒエンソウ)は、怒りや屈辱、羞恥、抑圧された自己表現に深く関わるレメディーです。
本来は繊細で礼儀正しく、理不尽な扱いや無礼を受けてもその場では何も言えず、後から悔しさや怒りを自分の内に溜め込みます。
慢性的な自己犠牲や、過去の侮辱体験、性的トラウマ、または“いい人”をやめられない。
そういったパターンの根底にある抑圧を緩め、本当の感情を解放し、自分の境界を取り戻すことを助けるレメディーです。
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