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なぜ、普通の主婦から真面目な好青年まで「闇バイト」で一線を越え犯罪者となるのか?そのこたえは「自分をだます」心の働き

こころの旅

自然療法家のシンジョウ🌺です。

今日は、社会問題になっている「闇バイト」で特殊詐欺の加害者になる方を心理的な側面から深掘りしていきます。

SNSやインターネット掲示板では、短時間で高収入が得られるなど甘い言葉がたくさんあります。ご存じのように、申し込むと、オレオレ詐欺の現金受け取り役やATMからの引き出し役など犯罪グループの手先に利用されてしまいます。これが「闇バイト」の恐いところです。

驚く事に、これらの犯罪の加害者たちは反社会的な人だけではありません。逮捕された人たちの中には普通の子持ちの主婦もいれば、真面目な好青年だったとされる人もいるのです。

なぜ、犯罪に縁遠い人たちが、加害者になるのか?

本当に闇バイトの高額報酬に目がくらんだだけなのでしょうか?

そのこたえは逮捕された人たちの言葉の中に隠されています。

逮捕された人の多くは「小包の中身は知らなかった」「小包はDVDだと聞かされていた」「言われたとおりに動いただけ」「詐欺だとは知らなかった」「自分は知らなかっただけで、だますつもりはなかった」と主張します。

そんなコメントをニュースで見聞きすると「何かおかしいって感じなかったの?」「これって犯罪じゃないと不安を感じてブレーキかけるだろ!」と思う方もいると思います。

でも、人間の心にはたとえ違和感や不安を感じて躊躇したとしても、次の瞬間、自分の行動を肯定する心理が働き、ブレーキを解除するとしたらどうでしょうか。この心のメカニズムを心理学では「合理化」と呼んでいます。

合理化とは

心理学でいう「合理化」とは、自分の心の中で葛藤が起きた場合、自分にとって都合の悪い現実を、もっともらしい理由をつけて正当化していく心の働きです。言い換えれば一種の自分に対する「言い訳」であり「ごまかし」です。

これって犯罪じゃないと「不安」を感じているけれど、そのままだと苦しい。そこで「不安」を頭を使って打ち消す。例えば「いや、自分はバイトで言われた事をやっているだけ」「何も知らないのだから犯罪者ではないし、罪に問われるわけがない」と正当化するのです。つまり自己暗示によって「不安」を解消している。このような状態では、視野が極端に狭くなっているので簡単に一線を飛び越え犯行に突き進んでしまいます。

「合理化」は多かれ少なかれ誰でもやっている

「合理化」という心理は特別なものではなく多かれ少なかれ誰でもやっている事です。

例えば、本当は美しい容姿の彼(彼女)に恋をし、告白したのに断られた場合、彼(彼女)に愛されなかった現実があまりにも辛いから、「彼(彼女)みたいに容姿のいいタイプは性格が悪いんだよ、フラれてよかった」と自分に言い聞かせて現実から目を背ける。これも合理化です。

ひどい場合には、自分のストレスのはけ口として子どもを殴ったり、精神的な虐待をしておきながら、心の真実を覆い隠すために、「これは子どものためにしているしつけだ」と「合理化」する親もいます。

でも、この「合理化」という「自分をだます」心の働きは、その場は心が楽になりますが、心の葛藤から逃げているのですから、どんどん自分にとって不都合な現実を認める力が弱くなってしまうのです。

犯罪に縁遠い人たちが、加害者になる背景には「合理化」という「自分をだます」心の働きがあり、それを多用する方であれば、いつの間にか自分が加害者になっていてもおかしくないのです。

時に不安や悩み、攻撃性の背後には、合理化によって抑圧された感情や願望が隠されている事があり、それに気づく事が解決の糸口となります。

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