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「言える」時が「癒える」時

コラム

自然療法士のシンジョウ🌺です。

12月に入り、カラダが冷えてきました。寒い日は、心にも温もりがほしくなりますよね。
今日は「心の傷」のお話です。

ココロの傷跡も痛む

昔、友人や彼から受けた言葉の暴力。同級生から無視された。職場で受けた不浄な仕打ち。
誰しも、辛い出来事に遭遇した事はあるでしょう。

刃物が刺さるとカラダが傷つくように、辛辣な言葉や態度は刃物のようにココロを傷つけます。そんな時、あなたはどんなふうに心の傷を癒してきましたか?

多くの人は、どんなにつらい出来事でも「時が立てば癒えていく」「昔の事だから、もう癒えてしまった」と思っています。

たしかに、ココロの傷も浅ければ、時間と共に癒えていくでしょう。
でも、深い傷ならどうでしょうか?

カラダを深い傷をうけると傷口が閉じた後も「傷跡がうずくように痛む」という人がいます。
これと同じように、ココロに受けた傷が深ければ、時間とともに傷口は閉じるけど「ココロの傷跡が痛む」という事があるのです。

この事が米国の心理研究チームの研究でも実証されました。科学的手法でココロに深く傷つけた人を調査した結果「時間が人を癒す効果はない」と公表しています(アリゾナ州立大学)。

「時間は心の傷を癒さない」、米研究で明らかに | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
時間がすべてを癒してくれる──何かに苦しんでいるとき、私たちはこの言葉を頻繁に耳にする。だが、悩み苦しむ人たちの話を直接聞いている心理療法士の中には、この考え方自体が私たちにどれほどの悪影響を及ぼしているかという点を指摘する人もいる。どういRead more...

阪神淡路大震災、東日本大震災で被災した方々の中にはココロに深い傷をおい、今でもPTSDに悩んでいる人がいる事を聞いた事がある人もいるでしょう。

でも、大きな災害の被災者でない方の中にも、子どもの頃に深い傷をおっている事があるのです。

40年前の出来事に涙する女性

ある女性との相談会での出来事です。
私の質問に対し、その女性は流暢に応答し、私は会話しながらメモを取り続けていました。
そんな中、私がコメントしたある言葉の後に女性の声が変わった事に気づきました。
そっと女性の顔をみると、虚空をみつめる目は真っ赤に染まり、ハラハラと涙を流していました。静寂が続いた後、詰まった声で幼少期の辛い思い出を語り始めました。

私の発した一言が鍵となり、40年間封印されてきたパンドラの箱がひらかれたのです。
虚空をみつめる女性の脳裏には、鋭い視線を向けた後、目をそらしてうつむく母親の顔が浮かんでいました。そして「お前さえ、いなければ・・・」と母親がつぶやいた一言が鮮明に蘇っていたのです。

「言える」時が「癒える」時

この方に限らず忘れていた記憶がフラッシュバックし、熱い涙があふれ出る方々をたくさん見てきました。

「子どものコロロはハダカンボ」なのです。周りの空気に敏感で、とても感じやすく、とても吸収しやすく、とても傷つきやすい。そして、大人との一番の違いはココロの外側が硬い殻で守られていないのです。

この母の一言は、裸のココロを深く突き刺さり、癒える事はなく未解決になっていたのです。

そして、自分の中にある「ココロに突き刺さったままの言葉」「ココロの傷の疼き」をみつけるには、自分のココロに関心のある誰かと「話したい」と思う事から始まります。
あなたが話したいと思える家族や友人、セラピストがいれば、その方に聴いていただいてください。

古い記憶を思い出すのは簡単ではありません。胸のあたりのモヤモヤとしか感じられない方も多くいます。そんな時はホメオパシーを使ってみましょう。あたなにあったレメディーをみつけられれば「突き刺さったままの言葉」を意識に浮上させる事ができるからです。

奥底に落ちた辛い記憶を「言える」ようになってくると、不思議なくらいココロの傷が「癒える」のです。涙が出る事をとめてはいけません。流れるがままにまかせるのです。

不思議な事に、詰まった感情を「言える」ようになると、頭痛や月経痛、うつが軽減した方々を多くみてきました。

あなたの悩みを真剣に聴いてくれる人がいるから「言える」のです。
そこで涙がこぼれるからココロの傷は「癒える」のです。