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朝、起き上がれない⇒不登校 日本の10代の間で深刻化する障害とは!           

こころの旅

こんにちは、自然療法士のシンジョウ🌺です。

今回は、最近、特に多くなっている「不登校」の悩みについて。一般論ではなく、あくまで自然療法士の観点となります。

日本の中学生 10%を悩ます「起立性調節障害」

ある私立校に通う女子中学生が学校に行けなくなりました。

ある朝、突然、ベットから起き上がろうとしてもカラダがだるく、頭が重い。無理して立ち上がると目が回ります。母親は感染症を心配しますが熱はありません。本人も母親も1~2日学校を休ませれば回復するだろうと思ったといいます。案の定、午後になると快復したようになりますが、3日目の朝も、4日目の朝も起き上がる事ができません。

でも、不思議な事に、朝はあれほど起き上がる事ができないのに、午後や夜になると元気になるのです。

母親は学校で何かあったんじゃないかと本人に聴きますが「学校に行きたくないわけじゃない」「イジメやトラブルもない」としかこたえてくれません。担任の先生にも相談しますが、イジメは確認できず、真面目で明るい生徒。友達関係も良好で勉強も順調だとの回答しかありません。

両親は徐々に単に「学校嫌いなだけ」「根性がないだけ」「甘えているだけ」と腹立たしく思うようになりました。「怠けているだけ」「さぼるな!」と厳しくあたるようになり、無理やり学校に行かせる日もありました。でも、症状はさらに悪くなり、部屋に閉じこもったままリビングにも姿をみせなくなってしまいました。

本当に病気なのではないかとお医者さんに診てもらったことろ「起立性調節障害」と診断されたと言います。

起立性調節障害(きりつせいちょうせつしょうがい)とは

【概要】自律神経の機能障害により、立ち上がる際に脳への血流が行き届かないことから起こる障害。立ち上がった時に血圧が低下したり、心拍数が上がり過ぎたり、調整に時間がかかり過ぎたりします。

【主な症状】立ちくらみ、めまい、ふらつき、頭痛、動悸、朝起きられない、夜寝つけない、疲れなど。

【悪化の要因】心理的ストレス、生活リズムの乱れ、季節・気候の変化など。

【その他】10代に発症しやすい傾向。小学校高学年から中学生、高校生の年齢に発症する頻度が高い。不登校の原因となる事もある。軽症を含めると、中学生全体の10%がこの障害を発症していると推定されている。

「病名」の与える心理的効果

多くのご家庭では、お医者さんから「病名」をいただけると親の子供への誤解はとけます。子どもを病人として優しく労わるようになるのです。

特に学校は何が何でも「行くべき」「行かねばならない」と考える親であれば、理由もはっきりせず「行けない」子どもを「行かない」子どもと解釈し、「学校嫌い」「怠け」「さぼり」と全て「この子のせい」として容赦なく責めたて、より症状を悪化させてしまいます。

そのような親にとって病気によって「行けない」と診断される事で子供を許せるようになるのです。

ただでさえ、子ども自身が学校に行けない自分を責め続け、不安と焦り、孤立感で心が折れそうなのです。そこに、親のイライラと無理解からくるプレッシャーが重く大きなストレスとなっていたのです。

親が状況を受け入れる事。子どもにとって、それが精神的に安心できる「居場所」が与えられた事を意味し、病気療養を認められた事を意味するのです。

もし、親が子どもの状態を理解しようとせず、追い詰める事を繰り返すのであれば、病状はさらに悪化し、不登校や引きこもりへと繋がる事もあるでしょう。

症状は結果であり、大きな原因は心の奥底にある

一般的に、この病状は自律神経の問題であり、低血圧が原因とされます。

でも、自然療法士の私からみると、カラダの症状はあくまで「結果」。原因は薬や食品添加物、環境毒など様々だと思いますが、大きな「原因」は、その子どもの心の奥底、本人も自覚できない「無意識」と呼ばれる領域にあります。

実は、起立性調節障害を発症する子どもは、感受性が強く、真面目な性格。周囲の期待に応えて頑張ろうとする子どもが多い事が知られています。親の顔色を気にし、親や周りの期待に沿うように生きる「いい子」が多いのです。

本当は「黒い服は嫌い」なのに、母親はいつも自分の好みの黒くてシックな服を買ってきて着せる。

本当は「もっと友達と遊びたい」のに、親のすすめで塾やピアノや習い事で日常が埋め尽くされている。

本当は「書道部」に入りたいのに、親や周囲の勧めに反発できず、不本意ながらバスケ部に入る。

いつも身勝手で無理解な親に怒りを感じながらも、抵抗する事もできず、自分を殺して従順に従う。いつの間にか、落ちこぼれないよう、懸命に努力している。もう、自分の本当の願望がわからない。

「あなたの夢が僕の夢」親や周囲が自分に求めるものが自分の願望だと錯覚するようになる。こういう子どもは、心の奥底、無意識の領域に大きな怒りや憎しみを溜め込んでいます。この大きな怒り、憎しみのエネルギーが、心身のコントロールを狂わせるのです。

朝、低血圧で、起き上がる事ができない症状は、本人も自覚できない「無意識」の抵抗です。

「もう、いい子でいるのは嫌!」「お母(父)さんの期待になんかこたえたくない」「学校なんか行きたくない」という心の叫びかもしれません。多くの場合、起立性調節障害の子供は、幼少期に心の傷を負っており、強い恐怖心を持っています。

「クソババー」と言うようになりました。大丈夫、順調に癒えてます!

自然療法士である私はホメオパシーのレメディーを使って無意識に落ちた感情や願望を浮上させる試みを行います。

突然「本当はピアノなんかしたくない」と反発したり、「本当は黒い服は嫌い、紫の服が好き」と願望を言えるようになる。「あんないい子だったのに、レメディーを飲んでからでしょうか、私に『クソババー』と言うようになったんです」と報告される事がよくあります。私は良かったですね、順調に治癒の方向に向かってますよ」と笑顔で回答します。

これまでは、親の都合のいいように巧妙にコントロールされ、親への怒りを強く抑圧していたから「いい子ちゃん」だったのです。それを自覚し、表現できるようになるプロセスは絶対に必要なのです。

この時、子どもの怒りを受け止める側の親(特に母親)が、精神的な成熟ができていなければ子どもは上手く吐き出す事ができません。多くの場合、子どもの行動問題の原因は親にあります。その原因となる親に変わる気が無く、子どもだけが変わる事を望んでいる事自体が間違いなのです。

子どもが、自分の中に溜め込まれた感情や本当の願望を吐き出すプロセスを通して、徐々に、確実に精神と肉体の歪みは修正され、症状は無くなっていくでしょう。

ただし、その時、親の期待する「いい子」ではなく「悪い子」になっているかもしれません。

でも、いいも悪いもなく、それが、その子の素の姿なのです。

本来の自分自身に戻る事、それが治癒の道なのです。