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独善的な親に育てられた子は心が折れやすくなります

★心の健康

突然ですが、あなたは「自分はメンタルが弱い」と感じることはありませんか?また、良かれと思って子どもにかけた言葉が、実はその子の心を追い詰めているとしたら、どう思いますか?

今回は、自分のメンタルの弱さの原因、または子どものメンタルを弱くしているかもしれない「独善的な親」について考えてみましょう。

自分自身の意思や感情を抑え込む性格の背後に「独善的な親」

私はセラピストとして、このような親子関係に悩む方々の相談に乗ってきました。例えば、第一子であることが原因で親の期待を一身に背負い、「親に認められたい」という思いから従順依存的な性格を形成してしまったケースがありました。その方の幼少期は、親の意向に従うことが当たり前で、自分の本当の意思や感情を表現する事は危険だったのです。

また、別のケースでは、親が良かれと思って言った「あなたのために」という言葉がプレッシャーとなり、「完璧でなければ愛されない」と感じていた自分に気づき、楽になった方がおりました。このような家庭環境では、子どもが自己否定的な思考を持つようになり、成人後も自分に自信を持てず、挑戦を恐れる傾向が見られます。

「独善的な親」の口癖

独善的な親は、自分の考えが正しいと信じ、それを子どもに押し付けることがあります。その言動の一例を下記にまとめました。

「私が苦労して育てたのに、恩を忘れるな。」

親が自分の犠牲を強調し、子どもに感謝や従順さを強制する言葉。 子どもは罪悪感を感じやすくなります。

「あなたの為を思って言っているんだ。」

表向きは子どものためと言いつつ、実際には親自身の価値観や願望を考える際に使われるフレーズ。この言葉により子どもは巧妙にコントールされ、自分の本当の願望や気持ちを抑圧するようになる可能性。

「私の言うことを聞いていれば、間違いはない。」

親の判断を絶対視する言葉。このような環境で育った子どもは、自分で考える力や決断する力が育たず、結果的に成人後も精神的な自立に支障をきたす。「指示待ち症候群」に陥るケースもあります。

「もっと世間体を考えろ」

家族の優先や体を優先し、子どもの個性や気持ちを軽視する言葉。 子どもは周囲の目を過剰に気にするようになる可能性。

「他の家の子はもっとできるのに」

他人と比べて、お前は劣っているとプレッシャーを与える言葉。これにより子どもは周囲との比較で劣等感を感じやすくなり、他人への過剰な競争心、敵意をもちやすくなる。

現代の親と子の関係

現代社会では、親の期待や制約が、子どもに過度なプレッシャーを与える場面が増えています。特に、自分の理想や価値観を「子どもは親の期待に応えるべきだ」と考える場合、子どもの自己確立に大きな影響を与えます。一番近い存在である親の影響は、子どもの自分の気持ちを認識し、表現する力を削いでしまうのです。

特に、子どもが「完璧な姿を見せないと愛されない」というプレッシャーを抱くと、その負担は心身のバランスを大きく乱す原因にもなります。

まずは、メンタルが弱いと感じる方は自分自身の幼少期を振り返り、親の言動を思い起こしましょう。

また、子育て中の方は、言葉や行動を振り返り、そこに改善の余地があるかを考えてみましょう。「良かれと思って言った言葉」が、実は子どもに大きな負担を与えている可能性もあります。それに気づくことが、子どもの心を守り、健やかに成長させるための第一歩となるのです。


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